p.153 「団塊の世代の政治力」を読んでいて気になったので、衆院選の過去の選挙別・年代別のデータから計算してみた。
選挙別・年代別のデータだと、1980年の20代は1990年には30代にスライドしているため、まず出生年別に約10年ごとの投票率を出す。
出生年代別の投票率
次に各年代別の実際の人口に投票率を掛けた、年代別実投票数を出す。
出生年代別の投票人数
1980年代(1980~1989年)生まれは、系列のデータが一個しかないため、ひし形で表示。赤っぽい系列がいわゆる団塊の世代とその周辺、青っぽいデータが現在20~30代の世代。
団塊世代は、やっぱり年代別人口が多い、その上に投票率まで高いので実際の投票数も当然多い。
それ以上の超高齢者世代は、投票率が高いものの、人口は当然減っていくので実数はすでに団塊世代を下回っている。さらに様々な理由により投票自体が困難になってくる事を考えると、向こう数年で傾向が逆転する可能性は低いか。
現在の20~30代、団塊Jrも含まれる世代は、絶対数が少ない上に投票率も低いので、投票実数は相当少なくなっている。しかし直近の傾向だけ見ると、投票率の上昇幅がそれ以上の世代に比べて急なので、今後も投票数の増加が見込めるかもしれない。
肝心の逆転するための投票率は、団塊世代が100%投票されたらどうしょうもないので、団塊世代は前回の選挙時と実数ベースで同じと仮定。その数 約28,452,860。2,850万票。対して、20~30代は総数で、約30,073,000。3,007万人。
逆転に必要な投票率は(2850÷3007)×100≒97.78。98%。非常に厳しい・・・
しかし、40代の就職氷河期世代までが一致団結して、団塊以上世代の逃げ切りは許さん、と同じ方向性で投票すると仮定した場合、総数は約46,810,000。4681万人。
逆転に必要な投票率は(2850÷4681)×100≒60.81。61%。急に現実味を帯びてきた。
さらに今年から参政権を得る世代、就職氷河期が再来している世代が約120万人。7月の時点で満20際になるのが、1/3の40万人とした場合、4721万人。
逆転に必要な投票率は(2850÷4721)×100≒60.36。60%。四捨五入で更に1%ハードルが低下。
前回選挙では1960~80年代の平均投票率は61.98%なので、十分に現実的な数字。1980年代は前回49.54%なので、この世代が投票率を上げれば逆転の可能性は更に高くなる。
実際の所、投票率は上げなくても若い世代の意見が反映される可能性は十分だということに。ただし数が増えても、まとまらないと烏合の衆なので、まずは選挙に行く事、その上で「雰囲気の好き嫌い」などではない確たる根拠に基づいて、何が自分たちのためになるのかを考えて投票する事が必要になる。
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