2010-07-21

「いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50 の方法」(佐々木 正悟)

行動を始め易くするための小技に関してつらつらと書かれています。タイトルに反して、「先送りしがちな人」にとくにフォーカスを当てて掘り下げてはいない様子。

普段先送りしがちな人が、どういった心理的な状態に囚われており、どうなれば解決に向かい、そのために何をする必要があり、この方法がかこういう面で効果がある、という話を順序立てて説明しているのかと思っていたため、やや期待はずれでした。

いわゆる「備え」として、ライフハック系の小ネタストックを増やす分には有効な本だと思われます。

2010-07-07

(後で調べる)資産課税とマイナス金利

消費税だの法人税だの単年度のフロー所得に対する課税が話題になっていますが、一番金持っているのは年寄りの資産家なので、ストックに対する資産課税を増やした方が、よっぽど集まると思うのですが。

裕福順位
 貧乏金持ち
若年32
老年41

応能負担が仮に是だとして、一番人数が少なくて単価の高い所からゴソっと取った方が課税業務の効率も上がりそうですし。

それ以前に、今の老年貧窮世帯の多くは若年者の責任は薄いのだから、上記テーブルの1から4に配分するのが妥当だと思いますが。

今は固定資産税と相続税ぐらいしか資産に課税されないので、金融資産にも課税したらよろしい。金融資産対する課税が可処分所得に対する二重課税だというなら、消費税も相続税も贈与税も固定資産税も同様に正当性が無い事になる。

というか、金融資産は特に課税しなくても、金利を本来どおり推移させてマイナスにすればそれでいいと思うのですが。無理にゼロで止めるから歪みが出るのでは。

特に不景気だデフレだ言われる情勢だと、使わざるを得ない状況に追い込まれることが予想できるようにすれば、ジリ貧になるより前に能動的に回避行動に移る気がしないでもない。そうすれば日本人ももう少しマジメに金融について勉強しないだろうか。

仮に総資産額に変化が無くても、完全に滞留している資産より、毎年一定額が出て一定額が入ってくる対流のある資産の方が経済全体には利があると思います。止まっているようで動いている資産。

2010-07-04

各政党の更新情報フィード一覧

殆どの政党サイトでMETAタグが記述されていないので、標準のフィードがどれかすら、そもそもあるのかすら判り辛い状況です。トップページ中ほどに小さく"RSS"のアイコンが設置されている場合が殆どです。

2010-07-02

「読むだけで絶対やせられる ダイエットセラピー」(アレン・カー、阪本章子・訳)

禁煙セラピーの著者によるダイエット本。禁煙セラピーのメンタルコントロール・メソッドはダイエットやその他の依存症にも応用できるのでは無いかと思ったのですが、すでに著者が幾つかのバリエーションで出版していた様です。(肥満も過食依存と捉える事ができます)

非常によく出来たダイエット本だと思います。やはりアレン・カーはエンターテナーとして才能が高いのだと思います。ロバート・キヨサキなどがエコノミスト臭くならないのに似ています。

禁煙セラピーを読んだ時点で、私自身の減量経験に照らして、他人に教える際に役立つ汎化のための方法を幾つか考えていたのですが、それらをほぼ包含して、より体系立ったアレン・カーらしい方法論が既に完成されていました。

前半に若干、大仰な台詞回しと、やや疑問な医学的裏づけに目をつぶれば、後半読み終わる頃にはなぜか清々しい気分ですぐに実践したくなります。

ここ最近読書ペースをちょっと上げて何冊か読みましたが、特に面白かった本は、読後にとても前向き、というか前のめりにしてくれます。

禁煙セラピーもそうでしたが、タイトルにやや語弊があります。禁煙セラピーは「禁煙のための」書籍ではありません。「○○セラピー」といった場合、普通「○○」を用いた心理療法という意味です。一般的な「禁煙」(にまつわる誤解など)を用いて、喫煙を止める為の本でした。

禁煙=喫煙を我慢する、なので、我慢するのと止める(我慢する必要が無い状態に卒業する)のでは大きく違います。この辺は翻訳の都合かもしれません。原著の直訳では若干ニュアンスが異なります。

同じくダイエットセラピーも、世間一般のダイエット(食事制限)について書かれた本ではありません。

そもそも、日本では「ダイエット」がバズワード化してかなり広義で利用されます。

  • 減量(体重を減らす)
  • 痩身(ラインを細くする)
  • ダイエット(食餌療法)

の三つをひっくるめて「ダイエット」と呼んでしまいます。

さらにダイエット(食餌療法)の場合も、味覚の嗜好や食事量を適正にする「改善」と、食べたいのに我慢する「制限」をひっくるめています。なので、少なくとも日本語の「ダイエット」には四つの意味が含まれてしまっています。

ダイエットセラピーで著者が主に目的としていたのは減量です。この本の内容にしたがっても、モデル体系にはなりませんし、生活が健康的になるわけではありません。

と、著者は言い切っていますが、減量を狙っていながら結果的に、実に効果的に食餌療法(改善)が出来る様になっています。むしろ改善された事によって減量が成されます。あくまで「制限(=我慢)」ではないので、無理をする必要がない点で禁煙セラピーと同じです。

著者は「好きな物を好きなだけ食べても減量できる」と言いますが、物は言い様で、身体に良いものが「好きな物」になってしまえば、結果的に好きな物を食べていることになります。同様に適量が「好きな量」になってしまえば、適量の食事が好きなだけ食べた事になります。

その過程で、何が本当に「好き」なのか、何が本当に「身体に良い」のかは大分セオリーとは違った価値観を提示されるので、読む気で読まないと(受け入れるつもりでないと)かなり面食らう事でしょう。

私個人の2度の減量経験はどちらも同じ方法で、20代前半に半年で22kg(89→67)、20代後半に1年で18kg(83→65)減らしましたが、これはダイエットセラピーで禁止されている事項も幾つか含まれていました。それでも減量できたのは、たまたま方法自体が個人的にモチベーションになったからです。

1回目の後の増量は厳密には「リバウンド」ではないのですが、なにを持って「リバウンド」と呼ぶかはここでは省きます。問題はリバウンドであろうと、なかろうと私の方法では減量後に再増量する可能性が残っている事でした。

私は実際に減量中でも毎日からあげやポテトチップやカップラーメンを食べていましたので、アレン・カーと同じく「食べたいものを食べていても」減量は可能だと断言します(運動も一切していません)。しかし私の場合、厳密なカロリー計算によって、総量は制限していました。制限が苦痛にならない方法だったので、自分では我慢している自覚はなかったのですが、ごく個人的な価値観によるので万人には適用できません。

その点、この本では人間のより根源的な嗜好に訴えかけるので、かなりの汎用性が期待できます。期待しつつ、最終的な評価は実践後に改めてしてみたいところです。

やはり敬体(です、ます)の方が書き易い。常体(だ、である)は語尾に迷う事が多い。