口語調の文体を読み慣れていない所為か、非常に読み難い文章でした。
「専門用語も少なく」「数字も少なく」がウリの入門書とのアオリですが、本文に目次以上の内容が無く、1/3ぐらいの分量でまとめられるのではという印象。
「そういうネタがある」という情報として、掘り下げるきっかけにはなるかもしれません。
本書の後半では、中小企業のオーナー社長にありがちな、素人の生兵法投資による話が出てきます。著者は過去に多くの火消し的な帳尻合わせの税務処理を仕事でされたそうで、株だなんだで失敗した社長が決算でどうにか出来ないかという実話をもとにした話も出てきます。
直接内容とは関係ありませんが、例えばこのような火消し的な仕事をしていると、当然、投資に「既に失敗した」人の話が自然と耳に入って来る訳です。それを持って「やっぱり投資は怖いよね」という結論に至るのが怖い。当然逆のパターンも然り。
自分が普遍的に幅広く観察しているつもりでも、そもそも自分の視界には既にバイアスのかかったサンプルしか入ってこない、という誤った前提条件に基づく、誤った判断を下しているかもしれません。
多少 面倒でも「自分フィルター」というバイアスのかかっていない、ランダムな情報も一定量仕入れる必要性を感じた次第です。本書の内容とは全く関係ありませんが。