2011-09-26

「投資の科学」(マイケル・J・モーブッシン著、川口有一郎監訳)

監訳者のあとがきにある通り、原著の直訳「ここにあなたが学ぶべきものがある」、サブタイトルの直訳「意外なところでファイナンスや投資の知恵に出会う」という説明が、本書の内容をそのまま表していると思います。

最近では私でも耳にするような、浸透しつつある新しい常識、市場の値動きが正規分布に従わないだとか、非合理な個人の集合が合理的な結果を出すだとか、現在の経済学では結果の説明は出来ても原因との因果関係は解明出来ていない物がある(その方が多い)などの話を裏付ける様々な他分野の研究を引き合いに、色々な投資・経済ネタが短いエッセー集の形でまとめられています。

ただし、各エッセーは現象2:説明7:応用(結論)1程度の割合で、説明に重きを置き、これに対してこういう対応を取れば上手く行く、と言った手軽な解決策は示されていません。そもそも現時点で解決策などない、という結論も多く示されます。

「ここにあなたが学ぶべきものがある」というタイトル通り、現在では原因のよくわからないが、認識だけされている事象があり、それについてこんな研究がされている、という情報がちりばめられているので、それを自身の投資活動に結びつけるには各人で本書の内容を「きっかけ」に掘り下げる必要があります。

全く知らない話もあるでしょうし、知ってはいたけど関連する法則や理論は初めて聞いたといった話もあると思います。日々マーケットに翻弄される投資家がたまに引っ張りだして、読み返してみて、気が向いたら掘り下げてみる、そんな手探りのネタを広げるきっかけになりそうな本です。

2011-08-30

「お金のシークレット」(デビット・クルーガー著、神田 昌典監訳)

内容のまとめ

支出には必ず「ストーリー」がある。

それは自覚的でない事が多く、ほとんどの人が「本当のストーリー」とは別に無意識に「建前の理由」を取り繕って、自分のお金の使い方に言い訳をしている。

自分に嘘をついて取り繕った理由では、いくら繰り返そうと本当に満たされる事は無い。これは典型的な買物依存症の人も もちろん含まれるが、一見してそうではない普通の人々にも当てはまる。

「お金について全く苦労せずに、幸せな人生を送れる年収はいくらか?」という問いに多くの人は「現在の」年収の2倍と回答する。しかし、いざ年収が2倍なった時に同じ質問をすると、やはり「その時点の」年収の2倍と回答する(p.31)。

このような不満足感の連鎖は、自分の本当の「お金のストーリー」に無自覚だからだ。

まず、お金を使う際には必ずストーリーがある事を自覚し、それが普段自分の口にしている「言い訳」と本当に同じかどうか知る必要がある。

自覚した上で、それが根源的な感情に支配されている事を知らなければならない。

支出は感情的な行為である。この事は絶対に忘れないでほしい。

実際、あなたが本書を読んでこの言葉以外に何も得るところがなにもなかったとしても、この根本的な事実を認めるだけで、あなたの金銭的生活は劇的に向上するはずだ。”(p.166)

根源的、かつ反射的な「感情」に支配されている、ということは、それを改めるには前もって自覚した上で周到な戦略を練らなければ到底打破できない。

この手の葛藤(節約したいのに消費もしたい)に打ち勝つのは非常に難しい。なぜなら戦う相手は自分だからだ。

左手と右手で押し合いをしても決着が着かないとのと同様に、相反する感情で押し合いをしても、器が壊れるだけだ。

これを解決する為には、自分の本当に「欲しいもの」と「必要なもの」を自覚する必要がある。

本書では前者を「欲望」と呼び、後者を「欲求」と呼んでいる。

本人は頑張っているつもりなのに、なぜか理想通りの成功を収められない人は、この欲望と欲求がすれ違っているからだ。

しかし欲求(必要なもの)が生来的、本質的な理想や体質に基づくのに比べて、欲望は短期的な感情から生まれている。

つまり、欲望の設定を欲求に沿える形に意識して変える事で、このすれ違いは解消可能だ。

個人的な補足

これはダイエットや禁煙と全く同じメンタルコントロールの話だ。

例えば「禁煙」は「吸いたいが我慢する」状態を指す。それに比べ「卒煙」は「吸いたくならない」状態を指す。

前者の禁煙は、前述の右手と左手で押し合いをするのに等しい。「吸いたい」と思う自分の感情と「吸ってはいけない」と思う自分の感情同士を戦わせなければならない。

しかし、タバコを吸ってはいけないという(健康に対する)欲求にくらべ、タバコを吸いたいという欲望は感情に基づいている。

「吸いたいから吸っているんだ」という建前ではなく、その人が本当に吸い始めたストーリーがあるだろう。

「憧れている俳優が吸っていた」「仕事のできる先輩が吸っていた」「タバコを吸うのはカッコイイ」

だから「自分も吸えばかっこ良くなれる気がする」といったストーリーだ。

この欲望を改めるには、背景となるストーリーを見直してみると良い。

憧れの俳優が、末期の肺がんで苦しみながら死んで行く様を想像した事があるだろうか。仕事のできない、そもそも仕事すら見つからないアル中やギャンブル中毒の人もタバコを吸っている様子を見た事があるだろうか。

憧れの俳優や先輩がかっこ良くなった原因はタバコだろうか?むしろその人達の格好良さの中の唯一の汚点がニコチン中毒ではなかっただろうか。

もし自分がその人達に今だ及ばないなら、むしろタバコを止める事こそが、その人達に追いつく最短のルートなのではないか。

そういった、無意識だったストーリーを自覚し、矛盾点を洗い出し、欲求と欲望の向きを同じ(平行)にすれば、無駄な押し合いをせずに済む。

お金の場合も同様であるが、結果が非常に見えにくい。減量ならば体型、禁煙ならばタバコ(やその支出)といった目に見える形で成果が得られる。

しかし、お金の場合、いくら稼いでも自分より稼ぐ人は世界にゴマンといる。そのため、どれだけ支出出来たか、どれだけ多くのコレクションを買えたか、といった目に見える結果を追い求めると泥沼にはまる。

自分がお金を使うに当たって、それはどのような感情に支配された、どのようなストーリーに基づいているか。そのストーリーはどのような結果を生み、それは本当に自分の欲求を見たし、自分の理想に近づくのか、そういった一連のストーリを自覚し、内面的な達成感を得る様にしなければならない。

感想

内容には大筋で賛成出来ます。これまでに読んだダイエット系や禁煙系の書籍と通じる所がありました。

また、これまでの書籍では同じ場所に問題点が見いだされていながら、その解決策としては規範論(こうあるべき)と論じられるだけで、具体的に実行出来る処方がなかった部分に一定の見解が示されている点で、一歩進めた気分です。

ただ、最終的な目的を明確にしない段階での「ワーク」と称した問いでは、そのワークが望む本質的な回答は得られないと思います。

これは学習の目的を明らかにしない状態での詰め込み学習に等しい。

順を追って、具体例で納得させながら展開して行きたいのは解りますが、それと各段階で読者自身の自覚を促す「ワーク」は両立しないのではないかと思います。というか却って混乱させるのでは。

2011-04-28

「なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学」(小堺 桂悦郎)

口語調の文体を読み慣れていない所為か、非常に読み難い文章でした。

「専門用語も少なく」「数字も少なく」がウリの入門書とのアオリですが、本文に目次以上の内容が無く、1/3ぐらいの分量でまとめられるのではという印象。

「そういうネタがある」という情報として、掘り下げるきっかけにはなるかもしれません。

本書の後半では、中小企業のオーナー社長にありがちな、素人の生兵法投資による話が出てきます。著者は過去に多くの火消し的な帳尻合わせの税務処理を仕事でされたそうで、株だなんだで失敗した社長が決算でどうにか出来ないかという実話をもとにした話も出てきます。

直接内容とは関係ありませんが、例えばこのような火消し的な仕事をしていると、当然、投資に「既に失敗した」人の話が自然と耳に入って来る訳です。それを持って「やっぱり投資は怖いよね」という結論に至るのが怖い。当然逆のパターンも然り。

自分が普遍的に幅広く観察しているつもりでも、そもそも自分の視界には既にバイアスのかかったサンプルしか入ってこない、という誤った前提条件に基づく、誤った判断を下しているかもしれません。

多少 面倒でも「自分フィルター」というバイアスのかかっていない、ランダムな情報も一定量仕入れる必要性を感じた次第です。本書の内容とは全く関係ありませんが。

2010-10-09

ハイローライン+MA

元ネタ

274 :Trader@Live!:2010/10/07(木) 13:54:40 ID:L0unZErp
    移動平均線とハイローラインのクロスアラートを作っていただきたいのですが
    どなたかおねがいしますm(__)m

275 :Trader@Live!:2010/10/07(木) 13:56:13 ID:tOUEomuX
    ハイローラインってなに?

276 :Trader@Live!:2010/10/07(木) 14:47:20 ID:L0unZErp
    過去20日間の最高値とか最安値とか
    タートルズがつかってたあれです
    

作ったインディケーター

前者がハイローラインとMAの線を引くインディケーターです。後者はクロスした時のシグナルとアラートを出します。土曜で値段が動いていないので、テストしてませんが、多分現在動いているバーがクロスした時のみアラートが出ると思います。

気になったので作ってみましたが、出来上がったチャートを見てみたら、どこかで見覚えのあるチャートでした。

MAとハイローラインの期間が近いとまず接触しません。MAの期間を相当長くすると、ぶつかります。

どういった目的のシグナルなのか解りませんが、ぱっと見た感じ、短期の急激な値動きの終わりを示すシグナルになるんでしょうか。ポジションのイグジット用に使えるかもしれません。

2010-10-08

パーフェクトオーダーで売買するEA

参考

見た目がキレイでいかにも意味ありげです。

作ったインディケーター

必要なインディケーター

作ったEA

"FiveMAs_CI"はメインウィンドウに表示されている、五本のEMAです。"PerfectOrder_CI"は一番下のウィンドウに表示されている赤いラインです。

五本のEMAが短期から長期の順に並んだ時に+1、adxが20を超えた時に+1、両方同時なら+2になります。

"PerfectOrder_EA"では、PerfectOrder_CIが2になったら買いシグナル、2以下になったら売りシグナル、同時にポジションは一つまで。というルールで売買します。

いくつかの時間足、通貨ペアでバックテストした結果は以下の通りです。

USD/JPY M5

USD/JPY H1

USD/JPY D1

GBP/JPY M5

GBP/JPY H1

GBP/JPY D1

AUD/JPY M5

AUD/JPY H1

AUD/JPY D1

もうちょっと惨憺たる結果になるかと思ったんですが、わりとプラスになる組み合わせもありました。AUDだけヒストリカルデータが長期間ダウンロードしてあるので、トレード回数が多くなっています。

短期のトレンドがに応じて、期間限定稼働なら悪くも無い様に見えますが。

2010-10-07

DdVAltbf_EA

以前つくったカスタムインディケーターのシグナルを元に売買するエキスパートアドバイザーです。

下降シグナルしか出ないので、

  • シグナルが出るとショートポジションを作成。
  • TakeProfit(利確)はBid+最小マージン
  • StopLoss(損切)はAsk+最小マージン*n

として、nをパラメータにしています。

ポジションがある時に次のシグナルが出ても新しいポジションは作成しません。同時に1ポジションまでです。n=1(TP幅=SL幅)で実行した結果が以下の画像です。

適当なEAの割に残高が0にならないのは、割と出来がいいのかと思いましたが、エントリーが少ないだけかもしれません。

ついで、nを1から50の間で最適化した結果が以下の画像です。19より上に行くと結果が変わりません。

なので、実際にn=20(TP幅*20=SL幅)で実行した結果が以下の画像です。

勝率100%です。儲かってる風に見えるEAにしても、うさん臭すぎました。使用したデモサーバでは直近6週間ほどの間に最小マージン(6pips)*20倍を超える様な一方的な値上がり(ドル高円安)がなかったんですね。

もっと長期間でバックテストすればその内、1ポジションの含み損によって強制ロスカットされるかも知れませんが、損切りなしのEAを口座残高によってカットさせるというのもありかもしれません。

総投資資金と一月に使える金額を見定めた上で、当月に一定量の損が出たらその月は取引終了。当月にいくらプラスになろうと月末に利益を全額払い戻し。毎月月初に一定額で取引開始。というルールはスキャル派のデイトレードでも聞く手法です。

好調な時にとれるだけとって、不調の時はやらない、というのは経済学的にも理にかなっていたと思います。

2010-09-30

値動きの分布

平均と標準偏差

標準偏差は±2σの範囲内に95%程度が収まるとの事。実際標準偏差の範囲を示すチャートにボリンジャーバンドがありますが、肌間隔としては、±2σ線を越えるのは1/20以上ある様に感じます。

というわけで実際に出してみると

USD/JPY,M1 AUD/JPY,D1
終値が±2σに収まる割合 89.52% 88.28%
高値が+2σを収まる割合 88.04% 85.28%
安値が-2σを収まる割合 82.66% 87.95%

いずれも95%は超えませんね。ボリンジャーバンドは終値ベースで計算されるので、終値で見れば良いと思うのですが、確かに終値が一番近いと言えば近くなっています。

USD/JPYの1分足は標本データが多すぎてGoogle SpreadSheetsで計算できないと言われたので、一度標本数を約1万から約1千に減らしたのですが、大差なし。

1千 1万
終値 89.03 89.52
高値 88.24 88.04
安値 82.35 82.66

1分足だと足1万本で1週間程度なので今週のトレンドがたまたまそうなっているだけとも言えますが、通貨によって動きに差があるという事でしょうか。

短い時間足の標準偏差準拠率を調べれば、直近のボラリティの参考ぐらいにはなるかもしれません。

作ったスクリプト

必要なインディケーター

2010-09-29

時間帯別値動き

「朝スキャル」という単語を見かけました。そういうジャンル?というか手法で商品化されているEAも多種あるそうで。

そういえば相場では季節要因(季節、時間帯、曜日)などの要因で方向性に癖があるという話も実しやかに語られます。

試しに朝方の1時間でClose-Openの値動きがどんなものか出してみました。MT4のScriptです。

Output_Morning_SC.mq4

USD/JPY, 6時/9時(直近1年)

AUD/JPY, 6時/9時(直近10年)

正直これだけだとなんだかさっぱりですが、こんなデータ群から方向性を見いだせる人も居るんですね。

ただ、「朝スキャルもそろそろ寿命」という意見の中には、「みんながやっていると儲かるはずがない」といったものが。業者がその時間帯をねらってスプレッドを広げてくるなどといった、具体的な環境要因なら解りますが、システムトレードをしている人でも前述の様な実証されていない感想文で行動を左右する人が一定数いるもんなんですね。

2010-09-27

一日一インジケーター

なんていう企画を、余裕のある時にやってみたいです。某所で見かけた物をMetaTraderのインジケータ化してみました。

元ネタ

88 :Trader@Live![sage] 投稿日:2010-08-19 16:45:29 ID:DdVAltbf
さっきのポン円落下は確実にとれるケースだよね
5分足でMACD、スローストキャス、21MA全部が下向いた瞬間に売るだけ

作ったカスタムインジケーター

必要なカスタムインジケータ

メインチャートの下向きの赤い矢印が、このインジケータの表示です。MACDは見にくかったので白い線をHISTOGRAMからLINEに変えてますが、内容は変わっていないはずです。

確かにわりとイケテそうに見えるので、元ネタのスレタイ通り、10pipで利確するEA化もしてみたいですが、GBP/JPYだと、スプレッドが7、8pipなので、意外と幅があるかもしれません。

2010-09-21

インフレターゲットは冷房

インフレ率を「引き上げる」政策としてインフレターゲットが語られますが、あれは引き上げるのではなく、頭を抑えるもの、つまり気温上昇時における冷房なのではないかと思います

冷房(または暖房)は、設定された温度に室温を調整するものではありません。設定された温度以上(または以下)にならない様に、室温を抑制するものです。

室温が30、31、32度と上昇していく中で、設定温度を30度にすると30度を「上回った時」のみ、30度を遥かに下回る冷風を散布する事で、一時的に30度以下にさげます。そこで一時運転を停止すると、またすぐに30度を超えるので、30度を下回る冷風を散布します。これの繰り返しです。

設定が30度だからといって、30度の風を散布する訳ではありません。

もし、30度を超える夏日に、「暖房」を20度に設定して稼働したところで、暖房は室温を20度に引き下げたりはしません。暖房の役目は20度を「下回った時」に20度以上に引き上げる機能しかありません。20度を超えている場合、「なにもしない」以上の事はできません。

インフレターゲットはインフレ率が3、4、5%と上昇していく際に、ハイパーインフレが起きない様に、金利の引上げなどで金融の引き締めを行う物だと認識しています。だとするなら、インフレターゲットはインフレ率が「放っておいても上昇する」場面において、上昇を抑制する冷房的な機能しかないと考えるの妥当ではないでしょうか。

「放っておいても下降する」デフレ場面において、インフレターゲットを用いるのは、冬に冷房を用いるような物です。氷点下の厳冬期に、冷房を28度に設定しても、冷房は「なにもしない」以上の事はできません。

日銀はインフレ率の上昇が望まれる状況で、むしろ「デフレターゲット」ともとれる政策を行っている、という批判も最近見かけますが、もし今の日本が放っておいても下がる「冬」つまりデフレ期なら、暖房にあたるデフレターゲットを用いるのはむしろ真っ当な対策に思えます。

問題は金利引上げによるインフレ抑制は事実上無限に上げられるのに反して、金利低下によるデフレ抑制は0%以下にできない事ではないでしょうか。デフレターゲット、つまり暖房の性能が限定的なのが、現在の中央銀行による金融政策の限界なのではないかと思います。

2010-08-26

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎 夏海)

軽い気持ちで読み始めたら、存外重い話でした。

「マネジメント」のエッセンシャルのエッセンシャルなので、当然この本だけでは「マネジメント」のさわりだけですが、それでも色々な示唆は与えてくれます。

ただ、ストーリーの最後の展開は、ドラッカーを信望しつつも、作者なりのマネジメントの限界に対する疑問を投げかけているようにも見えます。

2010-08-05

「ストック経済を考える」(野口 悠紀雄)

時間つぶしに入った図書館で偶然見かけた本。が先日の資産課税に関する書籍でした。

正直、内容がわかり易いだけに、20年も前に既に問題提起されていたという事実と、にも関わらず20年前の懸念がほとんどそのまま実現してしまった現状が実に残念でしょうがない。

政治的な理由で実現しないのか、させる気の人がいないのか、気づいてる人が少ないのか。正直こんな残念な状況が長期間放置されているなら、無理に変えようとするより、今楽に得な方向に流れた方が良いと考えてしまってもしょうがない。

最終章のケインズの話を見ると、今問題にされている格差の話など、20年前どころか100年前から在ったという事実に目眩すらします。

2010-07-21

「いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50 の方法」(佐々木 正悟)

行動を始め易くするための小技に関してつらつらと書かれています。タイトルに反して、「先送りしがちな人」にとくにフォーカスを当てて掘り下げてはいない様子。

普段先送りしがちな人が、どういった心理的な状態に囚われており、どうなれば解決に向かい、そのために何をする必要があり、この方法がかこういう面で効果がある、という話を順序立てて説明しているのかと思っていたため、やや期待はずれでした。

いわゆる「備え」として、ライフハック系の小ネタストックを増やす分には有効な本だと思われます。

2010-07-07

(後で調べる)資産課税とマイナス金利

消費税だの法人税だの単年度のフロー所得に対する課税が話題になっていますが、一番金持っているのは年寄りの資産家なので、ストックに対する資産課税を増やした方が、よっぽど集まると思うのですが。

裕福順位
 貧乏金持ち
若年32
老年41

応能負担が仮に是だとして、一番人数が少なくて単価の高い所からゴソっと取った方が課税業務の効率も上がりそうですし。

それ以前に、今の老年貧窮世帯の多くは若年者の責任は薄いのだから、上記テーブルの1から4に配分するのが妥当だと思いますが。

今は固定資産税と相続税ぐらいしか資産に課税されないので、金融資産にも課税したらよろしい。金融資産対する課税が可処分所得に対する二重課税だというなら、消費税も相続税も贈与税も固定資産税も同様に正当性が無い事になる。

というか、金融資産は特に課税しなくても、金利を本来どおり推移させてマイナスにすればそれでいいと思うのですが。無理にゼロで止めるから歪みが出るのでは。

特に不景気だデフレだ言われる情勢だと、使わざるを得ない状況に追い込まれることが予想できるようにすれば、ジリ貧になるより前に能動的に回避行動に移る気がしないでもない。そうすれば日本人ももう少しマジメに金融について勉強しないだろうか。

仮に総資産額に変化が無くても、完全に滞留している資産より、毎年一定額が出て一定額が入ってくる対流のある資産の方が経済全体には利があると思います。止まっているようで動いている資産。

2010-07-04

各政党の更新情報フィード一覧

殆どの政党サイトでMETAタグが記述されていないので、標準のフィードがどれかすら、そもそもあるのかすら判り辛い状況です。トップページ中ほどに小さく"RSS"のアイコンが設置されている場合が殆どです。

2010-07-02

「読むだけで絶対やせられる ダイエットセラピー」(アレン・カー、阪本章子・訳)

禁煙セラピーの著者によるダイエット本。禁煙セラピーのメンタルコントロール・メソッドはダイエットやその他の依存症にも応用できるのでは無いかと思ったのですが、すでに著者が幾つかのバリエーションで出版していた様です。(肥満も過食依存と捉える事ができます)

非常によく出来たダイエット本だと思います。やはりアレン・カーはエンターテナーとして才能が高いのだと思います。ロバート・キヨサキなどがエコノミスト臭くならないのに似ています。

禁煙セラピーを読んだ時点で、私自身の減量経験に照らして、他人に教える際に役立つ汎化のための方法を幾つか考えていたのですが、それらをほぼ包含して、より体系立ったアレン・カーらしい方法論が既に完成されていました。

前半に若干、大仰な台詞回しと、やや疑問な医学的裏づけに目をつぶれば、後半読み終わる頃にはなぜか清々しい気分ですぐに実践したくなります。

ここ最近読書ペースをちょっと上げて何冊か読みましたが、特に面白かった本は、読後にとても前向き、というか前のめりにしてくれます。

禁煙セラピーもそうでしたが、タイトルにやや語弊があります。禁煙セラピーは「禁煙のための」書籍ではありません。「○○セラピー」といった場合、普通「○○」を用いた心理療法という意味です。一般的な「禁煙」(にまつわる誤解など)を用いて、喫煙を止める為の本でした。

禁煙=喫煙を我慢する、なので、我慢するのと止める(我慢する必要が無い状態に卒業する)のでは大きく違います。この辺は翻訳の都合かもしれません。原著の直訳では若干ニュアンスが異なります。

同じくダイエットセラピーも、世間一般のダイエット(食事制限)について書かれた本ではありません。

そもそも、日本では「ダイエット」がバズワード化してかなり広義で利用されます。

  • 減量(体重を減らす)
  • 痩身(ラインを細くする)
  • ダイエット(食餌療法)

の三つをひっくるめて「ダイエット」と呼んでしまいます。

さらにダイエット(食餌療法)の場合も、味覚の嗜好や食事量を適正にする「改善」と、食べたいのに我慢する「制限」をひっくるめています。なので、少なくとも日本語の「ダイエット」には四つの意味が含まれてしまっています。

ダイエットセラピーで著者が主に目的としていたのは減量です。この本の内容にしたがっても、モデル体系にはなりませんし、生活が健康的になるわけではありません。

と、著者は言い切っていますが、減量を狙っていながら結果的に、実に効果的に食餌療法(改善)が出来る様になっています。むしろ改善された事によって減量が成されます。あくまで「制限(=我慢)」ではないので、無理をする必要がない点で禁煙セラピーと同じです。

著者は「好きな物を好きなだけ食べても減量できる」と言いますが、物は言い様で、身体に良いものが「好きな物」になってしまえば、結果的に好きな物を食べていることになります。同様に適量が「好きな量」になってしまえば、適量の食事が好きなだけ食べた事になります。

その過程で、何が本当に「好き」なのか、何が本当に「身体に良い」のかは大分セオリーとは違った価値観を提示されるので、読む気で読まないと(受け入れるつもりでないと)かなり面食らう事でしょう。

私個人の2度の減量経験はどちらも同じ方法で、20代前半に半年で22kg(89→67)、20代後半に1年で18kg(83→65)減らしましたが、これはダイエットセラピーで禁止されている事項も幾つか含まれていました。それでも減量できたのは、たまたま方法自体が個人的にモチベーションになったからです。

1回目の後の増量は厳密には「リバウンド」ではないのですが、なにを持って「リバウンド」と呼ぶかはここでは省きます。問題はリバウンドであろうと、なかろうと私の方法では減量後に再増量する可能性が残っている事でした。

私は実際に減量中でも毎日からあげやポテトチップやカップラーメンを食べていましたので、アレン・カーと同じく「食べたいものを食べていても」減量は可能だと断言します(運動も一切していません)。しかし私の場合、厳密なカロリー計算によって、総量は制限していました。制限が苦痛にならない方法だったので、自分では我慢している自覚はなかったのですが、ごく個人的な価値観によるので万人には適用できません。

その点、この本では人間のより根源的な嗜好に訴えかけるので、かなりの汎用性が期待できます。期待しつつ、最終的な評価は実践後に改めてしてみたいところです。

やはり敬体(です、ます)の方が書き易い。常体(だ、である)は語尾に迷う事が多い。

2010-06-30

ネットの選挙活動は何をしてはいけないのか

ネットで選挙に関する情報を色々調べていると、当然ネットでの選挙活動が禁止されている事はすぐに目に付く。なので、選挙期間中は関係者(主に立候補者と関連団体の)あらゆる情報の更新が止まるものと思っていたがそうでもないらしい。

ソースは失念してしまったけど、今回もしくは直近のいずれかの選挙期間において、政党のサイトが更新された事に対して、選挙管理委員会が「『政策の一覧(or列挙)なので問題ない』との見解をしめした」、という旨の記述を見た。

政策の一覧を列挙する事以外にどんな選挙活動をするのか。根本的な理解が間違っていたらしく、正直軽いパニックになった。

公職選挙法とはほんとよくわからん法律だ :投資十八番 

こちらを見てようやく解決した。要するに禁止されているのは「私に投票して下さい」とか「○○さんに投票すべきではない」とか「○○党はおかしい」などの支持や不支持を表明する文書図画の配布が禁止されるらしい。

バカじゃなかろうかと思う。小学校のクラス代表選挙じゃあるまいし、立候補者や関連団体が、わざわざ選挙期間中に時間を割いてまでオンデマンドのネット上でイメージアップ活動をしてどうするのか。

有権者として知りたいのは、立候補者の人となりではなく、政策や過去の政策に対する実行力などだ。成人した社会人が国政を担う国会議員を「怖そう」とか「物言いが憎たらしい」とか「生理的に好きになれない」とかで決めると思われているのだろうか。

政策・提案の一覧や説明が更新していいのなら、そもそもネットの選挙活動は現時点で「解禁している」と言って差し支えない。あとはどれだけ視認性が高いか、リーチしやすいかといった、サービスが提供されるかどうかの問題だ。

現状では、自分の選挙区の立候補者の一覧、比例区の政党一覧すらそろえるのが面倒くさい。実際にはそこから各人の政策ポリシー、各党の公約、個人としての方針と所属政党の方針との一致度、過去の公約の達成率/未達成率/取り下げ率/変更率などを調べないと、まともな選択に基づいた投票は出来ない。

ネットですら面倒くさいこれらの下調べはネットが無い時代には相当難しかったと思う。まさか全立候補者の街頭演説を見学して録画するわけにも行かない。ましてフルタイムのサラリーマンなら投票すべき自宅の選挙区外で日中拘束されているのが普通で、立候補者の演説など1度も聞けずに選挙を迎えても不思議ではない。

せっかくネットのある時代なのだから、もう少し気の利いたサービスがあってもいい。

立候補者・政党全ての提言されている公約を一覧でき、「支持/不支持」「取り下げ/変更/達成/未達成」など閲覧者の各人の点数を入力して全政党を横断的にチェックする機能なども欲しい。欲しいのは各党が公示した公約の一覧とそれを各人が採点しやすくするフォームなので、「支持/不支持」を頒布するわけではない。統計とって選挙前に公表などがされなければ人気投票にもならない。

前もって予測するこは禁止されているけど、事後公開なら良さそうなので、サービス利用者層の総意が実際の選挙結果とどれだけ一致していたかなどは比較できても良いかもしれない。

そもそも「参院選 立候補者」で検索したら、公式(go.jpドメイン)のサイトで立候補者と比例区の政党一覧が検索結果一位にあがってくるぐらいの準備はして欲しいものだ。全国に木製のボードを立てて画鋲でポスター貼り付けるよりよっぽど安上だと思うが。

2010-06-29

「二重洗脳 - 依存症の謎を解く」(磯村 毅 著)

禁煙セラピー 」の補完を目的に読んでみた一冊。医者による依存症の(特にメンタル面での)メカニズムと解決に向けたアプローチ。

医学的なアプローチと言う面では、「禁煙セラピー」よりも正確で掘り下げた説明をしているけど、その分堅苦しい感じはある。読み物としてのテンポや魅せ方という点では「禁煙セラピー」の方が面白い。内容的に言っている事は同じ。

読み終わるまでタイトルを「二重依存」だと思いこんでいた。私の期待した「二重依存」とは依存性薬物による肉体的依存と、社会的洗脳による精神的依存。「禁煙セラピー」を読んだ段階での喫煙の依存原因がそこにある、という理解だった。

本書での「二重」とは依存性薬物によってもたらされる、「飴」(恍惚感など)と「鞭」(禁断症状)の二つの内、依存性薬物を前者とのみ関連づけることで、調教的洗脳が行われるという趣旨。結果的に精神面での依存度が依存症の解決のカギになる、と言う点では「禁煙セラピー」と同じだが、精神依存の種類にやや違いがある。

「禁煙セラピー」では、社会的な「成人男性たるものタバコは吸うべき」「吸うのがカッコイイ」といった洗脳によって、喫煙者の中で「吸う理由」を肯定する礎ができているとしてた。

対して本書では、「飴と鞭」によって、吸い始めた後に喫煙そのものを、喫煙者自身がより肯定していく心理的変化を説明している。

薬物に依存していない正常な場合、落ち着いたリラックス状態と、イライラしたストレス状態を行ったり来たりする。なんらかの連続的な作業(仕事など)によって負荷をかけると精神はストレスを受ける。それがピークに達すると(下の点線)我慢できなくなり、休息が必要と判断する。休息を取るとストレスが緩和され、リラックスに向かう。

これが薬物に依存している場合、図の様に変化する。特徴としては以下の二点に集約される。

  • 回復が早い
  • 耐性が付く

薬物によるストレスの緩和は自然回復に比べ早い(a-b間)。特にタバコの場合、摂取方法が呼気による吸入なので他の麻薬より圧倒的に脳に近く、聞き始めも早い。そのため、恍惚感やリラックスなどの「飴」が薬物の摂取と時間的に近いことで、「飴の原因=薬物」という図式が本人の中で生まれる。

しかし、回復が早い反面、薬物による回復は耐性がつく(脳神経が劣化する)。そのため、リラックスのピーク(b点)が自然回復時よりも低くなる。たとえストレスの受け方が健常者と同じであっても、ストレスのピーク(a点上の点線)に到達するのが早くなる。結果、回復が必要と判断されるまでの活動時間が短くなる。

しかし、本人の活動時間が短くなろうと、業務上の休憩間隔を短くしてもらえるわけではないので、ストレスを感じたまま作業を続けなければならなくなる。このストレスのピークを超えた状態が禁断症状と呼ばれる「鞭」になる。

本来このような鞭に苛まれるのは、薬物が原因だが、薬物の摂取から時間が経っているため、直感的には関連付けられない。

鞭による更なるストレスを受け続けた直後に薬物を再度摂取すると、「急速に」回復する。そのため、酷い状態から急速に救われた事でさらに「薬物=飴」の図式がより強く肯定される。

このように、人間の時間的な感覚の盲点を突き、飴と鞭の原因を直感的に把握できないどころか誤解させる事で、苦悩の原因となっているはずの薬物が自分の救世主であると勘違いしていく。さらにその勘違いをエンドレスに増強していくのは、苦情を申し立てるはずの被害者本人。という非常に厄介なエコ(循環)システムによって薬物が延々と消費されていく。

この構図の厄介な点は、薬物を肯定しているのが被害者の感覚によるので、自身の主観的な判断によって「計画的」に活動している、と思い込んでしまう点にある。そのため、本来救済者である第3者による論理的な忠告が、自分を落としいれようとする悪魔の囁きに聞こえてくる。

そのため、解決するには本人の「気づき」による内証的な解決が必要と説く。後半は「気づき」と「ポジティブシンキング」の違いや、錯視を用いた「気づき」の解説などに当てられている。

個人的に知りたかったのは、本書で「気づき」と称しているアプローチの、適性によらない体系的な技術だった。本書はその答えを提示してくれなかったという点ではやや期待外れだったが、参考になる点や着想の種になる収穫はあった。

2010-06-20

「読むだけで絶対やめられる 禁煙セラピー」(アレン・カー、阪本章子・訳

喫煙者は二種類の依存症に罹っている。

  • ニコチン依存
  • 喫煙依存

の二つだ。

従来「禁煙」をする場合、主に前者が重要視されていた。つまり、肉体的に薬物依存になっているのだから、一定期間ニコチンの摂取を我慢できればやめられるという理屈だ。

しかし、ニコチンはどの麻薬より依存性が強いが、どの麻薬より禁断症状が弱い。三週間もすれば99%は体内から排出される。ならばなぜ人は禁煙に失敗するのか、なぜ一度禁煙に成功してもまた吸い始めてしまう人が居るのか。

それは精神的に依存しているからだ。という点に気付いた著者がいかにして精神的にタバコから自立するかに本書の八割が割かれている。

些細だけど重要な違いは次の質問で区別できる
「なぜタバコを吸いたいのか」
「なぜタバコを吸わなければならないのか」

恐らく口頭の会話で後者の質問をするとお決まりの回答が来ると思う。「吸いたいから吸っているんだ」「好きで吸ってるんだ」。聞きたいのはそこではなく、なぜ吸わなければ「ならない」か、だ。

つまり喫煙者は社会的な「洗脳」によって、無意識に「吸わなければならない」と思わされている。が、その事に気付いていない。というのが著者の論。

「吸わなければならない」と考えるのは、喫煙者自信の思考なので、これを我慢する、つまり「禁煙」しようとすることは、自分自身と力比べをするようなものだ。

タバコの煙は、本来カラダに悪い事が直感的にも、最近では医学的にも証明されつつある世の中で、敢えて吸い込み体に入れようとするのだから、相当強い精神力がなければできる事ではない。つまり喫煙者は精神力が強いからこそ喫煙者になれる。その強い自身の精神力による「喫煙」思考をそのままに、反対向きに「禁煙」思考をしても疲れるだけで、何も解決しない。だからまず「喫煙」思考を止めなければいけない。

つまり社会的な「喫煙しなければならない」という洗脳をとけば「禁煙」しようとする反対向きの力など要らなくなる。「禁煙」とは「吸いたいが我慢する」という思考だが、そもそも「吸いたい」と思わなければ我慢する必要すらなくなる。最近の日本ではこれを「卒煙」などと呼び明確に区別する向きもある。

私は以前から「喫煙者」ではなく「ニコチン依存患者」と呼べばいいと思っていたが、違った。喫煙者はニコチン依存ではなく「喫煙」依存だった。「喫煙」に精神的に依存しており、「吸わなければいけない」と(潜在的にせよ)思わされていたのだ。

これはタバコ以外にも色々と応用できる考え方かもしれない。薬物依存の場合、肉体的な禁断症状も伴うだろうけど、それ以外の「しなくて良いことをなぜかしてしまいドツボにはまる系」の依存は皆同じ考えた方で解決できると思う。

例えば肥満は、食べなくてもいい程の大量の食事によって、必要以上に体重が増加している。食べ物をとりあげても、断食をしても、時間が経てばまた太る。つまり「過食」依存だ。

この場合、禁煙セラピーに習い
「なぜ食べたいのか」を自問するのでなはなく、
「なぜ食べなければならないのか」を自問する。
もちろん回答などない。

生命維持に必要十分な食事をとればそれ以上は必要ないはずだ。なので何かしらの原因により「食べなければいけない」と思い込んでいるのなら、その原因に当って洗脳を解く必要がある。

我慢はいずれ破綻するので、食べたいが我慢する「禁過食」ではなく、食べたいと思わない「卒過食」をする必要がある。

減量に必要なカロリー計算など小学校を卒業していれば十分に可能なのだから、根源的に解決するには、無いはずの空虚な根拠を信じる洗脳を如何にして解くかが重要になる。

元々吸わないどころか「嫌煙」の自分がこの本を手に取ったのは、最初から(当然)禁煙が目的では無かった。あの頑固の代名詞とも思える喫煙者をどうやって禁煙に導いているのか。まして喫煙のマイナス面を並べ立てるわけでもない、どんな方法で「洗脳」しているのかに興味があった。しかし実際には「洗脳」を解くことがカギになるという予想と正反対の内容だった。この本は「禁煙」というテーマ以上の、メンタルコントロールに関する大きな示唆を与えてくれた。

2010-06-18

競争と公平感―市場経済の本当のメリット

数式の羅列された経済学の本ではなく、雑学書に近いイメージ。凄い読みやすい。随所に「誰かに教えたくなる雑学」的ネタがちりばめられていて飽きない。

比較的最近の本なので現在進行系の現政権の話も出てくる。2010年7月の参院選に向けて各政党の公約をチェックする際に役に立つ即効性もあると思う。

この本に出てくる様々「不公平感」の原因や、健全な競争の為に何が必要か、何に問題があるので何処をどう直すべきかという話は、公約をチェックする上で「なんとなく嫌い」「キナ臭い」といった感情論以上の根拠を持つ知識やそのきっかけを与えてくれると思う。

自分たちが救われるべき弱者だと思っている人が、実は自分たちを苦しめる要求を自らしていたりするので、言われるままに扇動されるより、一度きちんと考えて見たい。

マスゴミなどと揶揄しつつもマスコミしか情報源が無かったり、選挙カーや街頭演説などうるさいだけで役に立たないと言いつつ、それ以上の情報源無しに選挙に行ったり、選挙に行かないことがどういう結果を招くのか考えずに参政権を放棄していたり。

選挙を目前に控える今こそこの本を読むべきタイミングだと思った。